「ジョンロブのこのロゴは何年代のもの?」「旧ロゴと現行ロゴはどこが違う?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
中古でジョンロブを探していると、同じモデル名でもインソールに入っているロゴやアウトソールの刻印が違う個体を見かけることがあります。特にCITY(シティ)やWILLIAM(ウィリアム)、LOPEZ(ロペス)など、長く展開されてきたモデルでは、製造された時期によって細かな仕様が異なるケースがあります。
そのため「ジョンロブ ロゴ 年代」で調べている方にとって、旧ロゴと現行ロゴの違いは製造年代を推測するひとつの手がかりになります。ただし、最初に知っておきたいのは、ロゴだけを見て「○年製」と正確に断定するのは難しいという点です。
ジョンロブにはロンドンのビスポークを中心とした系統と、エルメス傘下で展開されているジョンロブ パリがあり、さらに既製靴とビスポークでも表記が異なります。ロゴの変更時期と商品の製造・販売時期に多少のずれが生じる可能性もあるため、インソール、ロゴ刻印、サイズ表記、モデル、その他のディテールをあわせて見るのがおすすめです。
この記事では、ジョンロブの歴史を簡単に振り返りながら、旧ロゴと現行ロゴの違い、筆記体ロゴの考え方、製造年代を判別するときに確認したいポイントを紹介します。
中古のジョンロブを検討している方も、手持ちの一足がどのくらいの年代なのか気になっている方も、ぜひ参考にしてみてください。
ジョンロブのロゴと年代を知る前に押さえておきたい歴史
ジョンロブの歴史|ロンドンからパリ、そして既製靴へ
ジョンロブのロゴや年代を理解するには、まずブランドの歴史を簡単に知っておくと分かりやすくなります。
ブランドのルーツは、靴職人ジョン・ロブが19世紀に始めた靴作りにあります。現在もロンドンのJohn Lobb Ltd.は1849年を起源としており、1866年にはロンドンのリージェント・ストリートに店舗を開きました。英国王室との関係も深く、長い歴史を持つ英国靴ブランドとして知られています。
その後、ジョンロブはフランスにも進出します。ロンドン側の公式ヒストリーによると、1901年にパリへ拠点を開設。資料によって1901年・1902年と表記に若干の違いがありますが、20世紀初頭にはパリでジョンロブの靴作りが行われるようになりました。
大きな転機となったのが1976年です。パリ側の事業がエルメスの傘下となり、一方でロンドンのJohn Lobb Ltd.はLobb家によるビスポークの靴作りを継続しました。つまり現在「ジョンロブ」と呼ばれているものには、大きく見ればロンドンのビスポークと、エルメス傘下のジョンロブ パリという流れがあります。
そして中古革靴市場でよく見かけるジョンロブの既製靴につながる重要な出来事が、1982年のレディ・トゥ・ウェアコレクションの開始です。さらに1990年代にはノーザンプトンで既製靴生産の体制が整えられていきました。
このような歴史があるため、ジョンロブの年代判別では単純に「古いロゴ=すべて同じ時代」と考えるより、ロンドンなのかパリなのか、ビスポークなのか既製靴なのかまで確認することが大切です。
中古市場で一般的にCITYやPHILIP II、WILLIAM、LOPEZなどを探している場合は、主にジョンロブ パリの既製靴を見ているケースが多いため、まずはこの既製靴のロゴ変遷を基準に考えると分かりやすいでしょう。
ジョンロブのロゴは年代によってどう違う?
旧ロゴと現行ロゴの違い|大きな節目は2015年前後
ジョンロブの中古靴を見ているとよく登場する表現が「旧ロゴ」です。
旧ロゴとして扱われることが多いのが、インソールなどに「JL」のモノグラムと「JOHN LOBB」の文字が組み合わされたデザインです。実際、2013年に登録された商標資料でも、スタイライズされた「JL」のモノグラムの下に「JOHN LOBB」と配置された意匠を確認できます。
現在につながる大きなロゴ変更が行われたのは2014~2015年頃です。
2014年にパウラ・ジェルバーゼがアーティスティック・ディレクターに就任し、ブランドのビジュアルアイデンティティが見直されました。2015-16年秋冬コレクションでは、新しいブランドロゴが実際に発表されています。
興味深いのは、この現行につながるロゴが単純に新しくデザインされたものではないことです。
ブランディングを担当したA Practice for Everyday Lifeによると、新しいロゴはジョンロブのアーカイブに残っていた1937年の靴箱ラベルに使われていたデザインをもとに再構築されています。つまり、見た目は新しくなっていますが、そのデザインソースはむしろ昔のジョンロブにあるということです。
年代判別を目的として整理するなら、次のように考えると分かりやすいでしょう。
| ロゴの特徴 | 年代を見る際の目安 |
|---|---|
| 「JL」モノグラム+JOHN LOBB | 2015年頃より前の既製靴で見られる旧ロゴの代表例 |
| JOHN LOBBの文字を主体とした新ロゴ | 2015-16年秋冬以降の世代を考える目安 |
| 筆記体・署名風ロゴ | ビスポークやロンドン系なども考慮して判断 |
ただし、2015年になった瞬間に世界中のすべての商品が一斉に新ロゴへ切り替わった、と考えるのはおすすめできません。在庫や流通時期などによるずれも考えられます。
そのため、「旧ロゴだから2015年以前の可能性が高い」といった大まかな年代判別に使う程度に考えておくとよいでしょう。
筆記体ロゴもある?「ジョンロブ パリ」とロンドンの違いに注意
「ジョンロブ ロゴ 年代」を調べていると、「筆記体ロゴ」という言葉を見かけることがあります。
ここで少し注意したいのが、ジョンロブの場合、筆記体だから単純に「かなり古いモデル」と判断できるわけではない点です。
現在のジョンロブには、歴史的なルーツを共有しながらも異なる運営をしている二つの流れがあります。ひとつは、ロンドンの9 St James's Streetでビスポークを続けているJohn Lobb Ltd.。もうひとつが、1976年からエルメス傘下で展開しているジョンロブ パリです。ロンドン側は現在もLobb家によって運営されています。
さらにジョンロブ パリにも既製靴とビスポークが存在するため、ロゴを見るときは商品のカテゴリーまで意識する必要があります。
たとえば中古市場でよく見かける既製靴では、先ほど紹介した「JL」モノグラムを使った旧ロゴや、現在につながる「JOHN LOBB」のロゴが年代を見る手がかりになります。一方、署名のような筆記体表記については、ビスポークを含む別系統の意匠が関係している場合があります。
そのため、
「筆記体ロゴだから1980年代」
「ブロック体だから2000年代」
といったように、字体ひとつだけから年代を決めてしまうのは避けたほうがよいでしょう。
また、ジョンロブには長期間生産されている定番モデルが多いのも年代判別を難しくする理由です。
たとえばダブルモンクの原型はジョンロブの歴史のなかでも古く、ロンドン側の公式ヒストリーではウィリアム・ロブが1920年代のパリでダブルモンクを生み出したと紹介されています。現在まで「WILLIAM」の名で親しまれているスタイルにつながる長い歴史を持っています。
したがってモデル名だけを見ても、その一足がいつ作られたものなのかは判断できません。
中古のジョンロブを見る場合は、まず「ジョンロブ パリの既製靴なのか」「ロンドンのビスポークなのか」を整理し、そのうえでロゴや刻印をチェックすると年代を考えやすくなります。
ジョンロブの製造年代を判別するときのポイント
インソール・ロゴ刻印だけで年代を決めないことが大切
ジョンロブの製造年代を調べるとき、最初に確認しやすいのがインソールです。
中古革靴の商品写真でもインソールは掲載されることが多く、旧ロゴなのか現行ロゴなのかを比較しやすい部分でもあります。
特に2015年前後のブランドロゴ変更は比較的はっきりした節目なので、旧ロゴと現行ロゴを見分けることで、おおまかな年代を絞るヒントになります。
ただし、インソールのロゴだけで年代を断定するのはおすすめしません。
革靴では長く履き続けるなかで中敷きが傷んだり、以前の所有者によって一部のパーツが交換されたりしている可能性もあります。また、ブランドロゴの変更が発表された時期と、実際に製造・販売された商品の切り替え時期が完全に一致するとは限りません。
そこで確認したいのが、靴全体にある複数の情報です。
まず見たいのがインソールのロゴ刻印。次にライニングに記載されたサイズや製造に関する数字、アウトソールのブランド刻印、ヒール周辺の仕様などを確認していきます。
たとえば、インソールが旧ロゴでアウトソールにも同じ世代と思われる「JL」意匠が残っていれば、年代を推測する材料は増えます。反対にインソールだけが明らかに別世代に見える場合は、交換歴なども考慮したほうがよいでしょう。
さらに重要なのがモデルです。
CITY、PHILIP II、LOPEZ、WILLIAMなど長く展開されているモデルでは、古い個体から比較的新しい個体まで中古市場に出てきます。そのため「CITYだから○年代」というような判別はできません。
年代判別では、
ロゴ → インソール → ライニングの表記 → アウトソール → モデルや仕様
というように複数の情報を照らし合わせていくと、判断しやすくなります。
「何年製かを当てる」というより、「少なくとも現行ロゴになる以前の世代」「2015年以降に近い世代」と段階的に絞っていく考え方がおすすめです。
シリアルナンバーやサイズ表記、モデルなどもあわせて確認
ジョンロブの年代判別で、ロゴとあわせて確認したいのが靴内部に記載されている数字やアルファベットです。
中古のジョンロブでは、ライニング部分にサイズ、ウィズ、ラストなどを示す情報や製造管理に関係する番号が記載されていることがあります。こうした数字をまとめて「シリアルナンバー」と呼んで紹介している中古販売ページもありますが、すべての数字を一般的な腕時計のシリアル番号のように読み解けば製造年が分かる、と考えないほうが無難です。
ジョンロブが一般向けに「この番号なら○年製」といった包括的な年代一覧を公式公開しているわけではないためです。
だからこそ、数字単体ではなく周囲の仕様との組み合わせが重要になります。
たとえば中古品をチェックするときは、
- インソールが旧ロゴか現行ロゴか
- 「JL」のモノグラムがあるか
- JOHN LOBBの文字デザイン
- ライニングのサイズ・ラストなどの表記
- アウトソールのロゴ刻印
- モデル名
- ソールやヒールなど各部の仕様
といった項目をあわせて確認するとよいでしょう。
特に中古品では「箱だけが別年代」というケースも考えられます。箱やシューバッグのロゴが古いからといって、靴本体まで同年代とは限りません。年代を見るのであれば、付属品よりもまず靴本体の情報を優先するのがおすすめです。
また、ジョンロブのロゴ変更そのものがブランドの歴史と密接に関係している点も面白いところです。
2015年頃に登場した新しいロゴは、流行に合わせてゼロから作られたものではなく、1937年のアーカイブに残っていたパッケージが原案となっています。
そのため、現行ロゴのほうが見た目によってはクラシックに感じられることもあります。
「デザインが古そうだから旧ロゴ」と感覚だけで判断せず、実際のロゴの形を確認することが大切です。
中古革靴では、こうした細かな仕様を一足ずつ見比べること自体も楽しみのひとつ。ジョンロブのように長い歴史を持つブランドほど、同じモデルでも製造時期による違いを探す楽しさがあります。
旧ロゴのジョンロブを中古で選ぶときに確認したいこと
ヴィンテージや旧ロゴは年代だけでなく状態とサイズ感も重要
旧ロゴのジョンロブを見つけると、「現行より希少なのでは?」と気になる方もいると思います。
確かに旧ロゴの個体は現在新品として通常販売されているものではないため、中古で探す楽しさがあります。また、以前のジョンロブを愛用していた方にとっては、旧ロゴや当時の仕様そのものに魅力を感じることもあるでしょう。
ただし、実際に履くための一足を選ぶのであれば、ロゴの年代だけにこだわりすぎないことも大切です。
たとえば同じ旧ロゴでも、ほとんど履かれていない個体と長期間履き込まれた個体ではコンディションが大きく異なります。
チェックしておきたいのは、アッパーの深いひび割れ、履きジワ、履き口の傷み、インソールの沈み込み、アウトソールの減り、ヒールの減りなどです。
さらにジョンロブはラストによってフィット感が変わります。
中古品では革が前所有者の足に合わせて馴染んでいるため、表記サイズだけでは判断しにくい場合があります。特に価格の高い革靴だからこそ、「旧ロゴだから欲しい」という理由だけで購入するより、モデル、ラスト、サイズ、状態まで総合的に確認するのがおすすめです。
また、「旧ロゴ=必ず現行品より品質が高い」「古ければ古いほど価値が高い」と一律に考える必要もありません。
ジョンロブは現在もノーザンプトンで既製靴を生産しており、ブランドとして長く靴作りを続けています。2026年にエルメスが発表した資料でも、ジョンロブはノーザンプトンで既製靴を製造していることが説明されています。
そのため、旧ロゴは「優劣」を判断するものというより、その靴が作られた時代を楽しむ要素のひとつと考えるとよいでしょう。
渋谷の中古革靴店「ラストラボ」でも、ジョンロブをはじめとしたさまざまなブランドの中古革靴を扱っています。
中古革靴のメリットは、現行モデルだけでなく、生産終了モデルや旧ロゴの個体などが見つかる可能性があることです。同じジョンロブでも年代やラストによって雰囲気が異なるので、実物を見ながら比較してみたい方は、中古革靴店をチェックしてみるのもおすすめです。
ロゴの年代を調べるだけでなく、「実際に履くならどの一足が自分に合うか」という視点まで含めて選ぶと、ジョンロブ探しがより楽しみやすくなるでしょう。
まとめ|ジョンロブのロゴは年代判別の有力なヒントになる
ジョンロブのロゴは、製造年代を推測するときの分かりやすい手がかりのひとつです。
特に既製靴では、2015年前後のブランドロゴ変更が大きなポイントになります。それ以前に多く見られる「JL」のモノグラムを使用したデザインは、一般に旧ロゴと呼ばれることが多く、2015-16年秋冬コレクションからは現在につながる新しいブランドロゴが登場しました。
ただし、「ジョンロブ ロゴ 年代」を調べる際に覚えておきたいのは、ロゴだけで正確な製造年まで特定することは難しいという点です。
ジョンロブにはロンドンとパリという歴史的な系統の違いがあり、さらにビスポークと既製靴でも表記が異なります。そのため筆記体ロゴ、旧ロゴ、現行ロゴという分類だけで判断すると、年代を取り違えてしまう可能性があります。
年代を確認したい場合は、インソールのロゴ刻印を入口にして、ライニングのサイズや番号、アウトソールの刻印、モデル、各部の仕様までチェックしていくのがおすすめです。
そして中古のジョンロブを購入するのであれば、年代と同じくらい重要なのがコンディションとサイズ感です。
旧ロゴには旧ロゴならではの魅力があり、現行モデルには現在のジョンロブならではの魅力があります。どちらが上というものではなく、自分が好きなモデルやラスト、状態のよい一足を選ぶことが長く楽しむポイントといえるでしょう。
渋谷の中古革靴店「ラストラボ」でも、ジョンロブをはじめとした中古革靴を取り扱っています。旧ロゴの個体や現在では見つけにくいモデルは、中古市場だからこそ出会えることがあります。
「写真だけでは年代や雰囲気が分かりにくい」「ジョンロブを何足か比較してみたい」という方は、中古革靴店で実物を確認しながら探してみるのもおすすめです。