長く履いてきたスコッチグレインのかかとが減ってきたり、靴底に穴が開きそうになったりすると、「修理して履き続けられるのか」「修理料金はいくらかかるのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。
革靴はスニーカーと異なり、傷んだ部分を交換しながら履き続けられるものがあります。特にスコッチグレインは、靴底を交換できるグッドイヤーウェルト製法を多くの製品に採用しており、適切なタイミングで修理すれば長く愛用しやすいブランドです。
一方で、すべての傷みが修理できるとは限りません。かかとだけを交換すれば済む場合もあれば、靴底全体を取り替えるオールソールが必要になることもあります。甲革のひび割れや内部の劣化が進んでいる場合は、修理料金と靴の状態を見比べながら、買い替えを検討したほうがよいこともあるでしょう。
この記事では、スコッチグレインのブランドの歴史をはじめ、かかとや腰裏、オールソールなどの主な修理内容、修理料金、修理期間、依頼方法を分かりやすく解説します。最後に、修理するか中古革靴へ買い替えるか迷ったときの判断基準も紹介するので、大切な一足を今後どうするか考える際の参考にしてください。
※修理料金や受付内容は変更される可能性があります。依頼前にはスコッチグレイン公式サイトや受付店舗で最新情報をご確認ください。
スコッチグレインが修理しながら履き続けやすい理由
ブランドの歴史とグッドイヤーウェルト製法の特徴
スコッチグレインを展開するヒロカワ製靴は、1964年に東京都台東区で創業しました。その後、1970年に新潟県の糸魚川工場を完成させ、1978年からオリジナルブランド「スコッチグレイン」の販売を開始しています。1979年には現在の東京都墨田区へ本社を移し、日本国内で革靴づくりを続けてきました。 の大きな特徴は、東京・墨田区の自社工場で一貫生産を行い、履き心地と品質を重視した革靴を製造している点です。多くのモデルには、アッパーと靴底をウェルトと呼ばれる細い革を介して縫い合わせる、グッドイヤーウェルト製法が採用されています。 き込むほど中底が足の形になじみやすいことに加え、靴底が減ったときに交換しやすいという特徴があります。公式サイトでも、グッドイヤーウェルト製法で作られたスコッチグレインの製品は繰り返し修理が可能で、すり減ったヒールやソールを新しい部材へ交換できると案内されています。 イヤーウェルト製法だから何度でも必ず修理できる」というわけではありません。修理を繰り返すと、靴底だけでなくウェルトやアッパー、内側の革にも負担がかかります。特に雨で濡れたまま放置した靴や、甲革に深いクラックが入っている靴は、修理を断られる可能性があります。
長く履くためには、傷みが大きくなる前に修理することが重要です。かかとが大きく斜めに削れてから修理するより、ゴム部分の摩耗が少ないうちに交換したほうが、修理範囲を抑えやすくなります。靴底についても、穴が完全に開く前に相談したほうが追加作業を避けやすいでしょう。
スコッチグレインは、購入後の修理を前提に検討しやすい国産革靴です。日頃のお手入れと定期的な点検を組み合わせることで、一足をより長く履き続けられます。
スコッチグレインで依頼できる主な修理
かかと・ヒール交換・腰裏修理を検討するタイミング
スコッチグレインの修理で比較的依頼する機会が多いのが、かかとのヒール交換です。歩くときにはかかとの外側から地面に着くことが多いため、履き続けていると外側だけが斜めに削れていきます。
ヒールの一番下に付いているゴムや革の層は「化粧」と呼ばれます。この化粧部分だけが減っている段階であれば、比較的小さな修理で対応できる可能性があります。一方、摩耗が進んでゴムの上にある積み上げ部分まで削れている場合は、積み上げを含めた修理が必要です。
かかとの修理を検討したいサインは、次のとおりです。
- 左右で靴の高さが違って感じる
- かかとが斜めに削れている
- 歩くときに身体が外側へ傾く
- ゴム部分を越えて革の層まで削れている
- 歩行時の音が以前より大きくなった
公式案内では、ヒールの削れ具合によって修理料金が異なり、基本的には現在付いているものと同じヒールパーツへ交換するとされています。また、オールソールを依頼する場合はヒールも新しくなるため、別にヒール交換を注文する必要はありません。 ておきましょう。かかとが接する内側の革が擦り切れたり、穴が開いたりしている状態は「腰裏の傷み」と呼ばれます。サイズが大きい靴や、靴ひもを緩めたまま履いている靴では、歩くたびにかかとが上下して腰裏が傷みやすくなります。
腰裏の破れを放置すると、芯材が露出して靴下を傷めるだけでなく、履き口の形が崩れる原因にもなります。小さな擦れの段階ですぐに修理する必要はありませんが、革が薄くなってきたと感じたら早めに相談するのがおすすめです。
なお、かかとが異常に早く減る場合は、修理だけでなくサイズや歩き方を見直したほうがよいこともあります。靴が足に合っていない状態で履き続けると、修理後も同じ場所が短期間で傷む可能性があるためです。修理を機会に、靴ひもの締め方やサイズ感も確認しておきましょう。
オールソールの目安とレザーソール・ゴムソールの違い
オールソールとは、靴底全体を新しいものへ交換する修理です。つま先やかかとの部分修理とは異なり、古い本底を取り外して新しい底材を縫い付けるため、革靴修理の中でも比較的大がかりな作業になります。
スコッチグレイン公式サイトでは、ソールの中央部分を指で押した際に柔らかさを感じるようになったら、オールソールを検討する目安としています。靴底が薄くなり、中の部材が激しく露出している場合は、追加料金がかかる可能性もあるため注意が必要です。 討したい症状には、次のようなものがあります。
- 靴底の中央部分が薄くなっている
- ソールを押すと以前より柔らかく感じる
- 靴底に穴が開いている
- 雨の日に靴の内部へ水が入りやすい
- ソールの縫い目が切れている
- つま先や側面が大きく剥がれている
ソールには、大きく分けてレザーソールとゴムソールがあります。レザーソールは、革靴らしい見た目と通気性、足なじみの良さが魅力です。履き込むことで屈曲しやすくなり、ドレスシューズらしい軽快な履き心地を楽しめます。一方、雨や濡れた路面では滑りやすく、水分の影響も受けやすいため、天候に合わせた履き分けが必要です。
ゴムソールは、グリップ力と耐水性を重視したい方に向いています。通勤で長い距離を歩く方や、雨の日にも同じ靴を履きたい方には選びやすい仕様です。ただし、厚みや硬さによっては、レザーソールから履き心地や見た目が変わる場合があります。
基本的にメーカー修理では、預かった時点で付いているものと同じソールで修理されます。異なる底材への変更は、追加料金が発生するか、靴の仕様によって受け付けてもらえないことがあります。 ム底、またはゴム底から革底へ変更する場合、縫い幅の違いからウェルト交換が必要となり、公式案内では2,200円の追加料金がかかるとされています。 終了などによって修理受付が終了することもあります。実際にSGソール赤やファイバーグリップソールなど、一部仕様のオールソール修理は終了しています。古いモデルや限定モデルを修理する場合は、依頼前に使用可能な部材を確認しておくと安心です。 レインの修理料金と修理期間
修理内容ごとの料金と完成までの期間
スコッチグレインの修理料金は、交換するパーツや靴の傷み具合によって異なります。2026年7月時点で公式サイトに掲載されている主な修理料金は、以下のとおりです。
| 修理内容 | 詳細 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| オールソール | トップゴムレザーソール | 17,050円 |
| オールソール | ノンスリップソール | 17,050円 |
| オールソール | スリーポイントソフトレザーソール | 18,700円 |
| オールソール | グリッパーソール | 15,950円 |
| オールソール | グリッパーテクノ | 14,850円 |
| オールソール | SGソール | 15,400円 |
| オールソール | SGテクノソール | 14,300円 |
| オールソール | Tテクノソール | 14,300円 |
| ヒール交換 | スコッチ化粧 | 5,280円 |
| ヒール交換 | スコッチ化粧+積み上げ | 5,830円 |
| ヒール交換 | スコッチヒール | 5,280円 |
| ヒール交換 | グリッパーヒール | 5,830円 |
| その他 | 腰裏直し | 3,300~3,850円 |
| その他 | 小指当て | 1,100~2,200円 |
公式の価格表では、オールソールが14,300~18,700円程度、一般的なヒール交換が5,280円前後、腰裏直しが3,300~3,850円と案内されています。靴の状態によって追加作業が必要になることもあるため、上記はあくまで目安として考えましょう。 する窓口によって異なります。直営店やアウトレット店へ持ち込む場合、オールソールは約4~5週間、ヒールのみの修理は約3~4週間が標準的な目安です。公式リペアストアを利用する場合は、オールソールが約20日、ヒールのみが約14日と案内されています。 通常時の目安です。繁忙期や修理依頼が集中している時期、追加修理が必要な場合は、完成までの期間が延びる可能性があります。仕事で毎日革靴を履く方は、修理期間中に履く靴を用意してから依頼するのがおすすめです。
修理料金だけで判断するのではなく、購入価格、現在の状態、履き心地、今後どのくらい履きたいかを含めて考えることが大切です。足に合っていて思い入れのある靴なら、オールソールに費用をかけても満足しやすいでしょう。一方、サイズが合わずほとんど履いていない靴は、修理しても使用頻度が上がらない可能性があります。
直営店と公式リペアストアの使い分け
スコッチグレインの修理は、直営店やアウトレット店、公式リペアストアなどで受け付けています。どこへ依頼すればよいか迷った場合は、靴の状態や相談したい内容に合わせて選ぶとよいでしょう。 ット店への持ち込みは、スタッフに靴を直接見てもらいながら相談できることがメリットです。公式案内では、混雑状況にもよりますが、店頭で15~20分ほど靴の状態を確認し、修理内容と見積もりを決定するとされています。
「かかとだけで済むのか分からない」「オールソールが必要か判断できない」「古いモデルなので修理できるか不安」といった場合は、店頭で相談する方法が適しています。修理後は依頼した店舗で受け取れるほか、有料で発送してもらうことも可能です。 ストアは、近くに店舗がない方や、店頭へ行く時間を取りにくい方に便利です。公式リペアストアで希望する修理内容を購入し、発行されたオーダー番号を同封して靴を発送します。靴が到着すると、メールで修理内容や追加作業について連絡が届き、内容と決済が確定してから修理が始まります。 頼者負担ですが、修理完成後の返送料はスコッチグレイン側が負担すると案内されています。追加料金が発生した場合は、追加分の入金が確認されてから作業が開始されるため、連絡メールを見落とさないようにしましょう。 リットは、一部を除いて純正部材を使用し、購入時に近い仕様へ戻しやすいことです。スコッチグレイン公式サイトでも、メーカー修理は純正品を使用するため、購入時に近い状態で戻せる点をメリットとして挙げています。 種類を大きく変更したい場合や、つま先へスチールを付けたい場合など、購入時とは異なるカスタムを希望するなら、一般の靴修理専門店が候補になることもあります。ただし、仕上がりや使用する部材、料金は店舗ごとに異なるため、事前に希望を詳しく伝えることが大切です。
修理と買い替えのどちらを選ぶべきか
修理するか中古革靴へ買い替えるかの判断基準
お気に入りのスコッチグレインであっても、必ず修理することが正解とは限りません。靴の状態や修理料金によっては、別の一足へ買い替えたほうが使いやすい場合もあります。
修理をおすすめしやすいのは、次のようなケースです。
- サイズが足に合っている
- アッパーの革に深いひび割れがない
- 履きジワや革の風合いを気に入っている
- 仕事や冠婚葬祭などで今後も履く予定がある
- 修理料金をかけても長く履きたい
- 現在は販売されていないモデルである
特に革靴は、履き込むことで中底やアッパーが足になじみます。長い時間をかけて自分の足に合うようになった靴は、新しい靴ではすぐに得られない履き心地があります。かかとやソールなど、交換可能な部分だけが傷んでいるなら、修理を前向きに検討してよいでしょう。
一方、次のような場合は買い替えも選択肢になります。
- サイズが合わず、歩くとかかとが抜ける
- 小指や甲が強く当たって痛い
- 甲革に深いクラックがある
- 靴の内部まで大きく劣化している
- 複数箇所の修理で費用が高くなる
- 生活スタイルが変わり、今後履く機会が少ない
オールソールに加えて腰裏やウェルトなども修理すると、合計金額が中古のスコッチグレインを購入できる価格に近づくことがあります。修理後もサイズの問題は基本的に解消されないため、足に合っていない靴へ高額な修理を行う場合は慎重に判断したいところです。
修理を見送る場合は、そのまま処分するだけでなく、買取店へ相談する方法もあります。ソールが減っていたり、表面に傷があったりしても、モデルやサイズ、革の状態によっては中古革靴として価値が残っている可能性があります。
東京・渋谷の中古革靴専門店ラストラボでは、革靴の販売と買取を行っています。公式オンラインストアも展開しているため、スコッチグレインを含め、状態や価格の異なる中古革靴を比較したい方にも利用しやすいでしょう。 修理するか、別のモデルへ買い替えるか迷っている場合は、「修理料金」「今後の使用頻度」「サイズの相性」の3点を基準に考えるのがおすすめです。愛着があり、足にも合っているなら修理する価値があります。サイズが合わない場合や履く機会が少ない場合は、売却や買い替えを含めて検討すると、より納得しやすい選択ができます。
まとめ
スコッチグレインは、グッドイヤーウェルト製法を採用したモデルが多く、かかとや靴底を修理しながら長く履き続けやすい革靴です。かかとのゴムが減った場合はヒール交換、靴の内側が擦り切れた場合は腰裏修理、靴底全体が薄くなった場合はオールソールを検討します。
特に、靴底の中央を押して柔らかく感じるようになったときや、かかとのゴムを越えて積み上げ部分まで削れ始めたときは、早めに相談するのがおすすめです。傷みを放置すると、交換する部材や作業が増え、修理料金が高くなる可能性があります。
修理料金の目安は、ヒール交換が5,000円台、腰裏修理が3,000円台、オールソールが14,000~18,000円台です。修理期間は依頼方法や混雑状況によって異なりますが、おおむね数週間程度を見込んでおくとよいでしょう。
購入時に近い仕様を維持したい場合は、直営店や公式リペアストアへの依頼が候補になります。どこが傷んでいるか判断できない場合は、靴を直接確認してもらえる店頭受付が利用しやすいでしょう。
ただし、サイズが合っていない靴や甲革の劣化が進んでいる靴は、修理より買い替えが向いていることもあります。修理料金だけで決めるのではなく、履き心地、使用頻度、靴への愛着を含めて判断することが大切です。
修理を見送る場合や、別のモデルへ買い替えたい場合は、中古革靴も選択肢に入れてみてください。渋谷の中古革靴専門店ラストラボでは、さまざまなブランドの革靴を販売・買取しているため、現在の靴を手放したい方や、次の一足を探している方にもおすすめです。